歯科口腔外科について
当院では、むし歯や歯周病の治療に加え、歯科口腔外科の治療にも対応しています。親知らずの抜歯、顎関節症の治療、口腔内の外傷や小帯切除術など、さまざまなお口のトラブルに幅広く対応いたします。お口の健康を全身の健康の一部と考え、包括的な治療を心がけています。
院長は大学病院での口腔外科医分野の豊富な手術経験を積んでおり、正確な診断と適切な治療を提供いたします。お口のできものやケガなど、気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
このような症状は歯科口腔外科へご相談ください
- 親知らずが気になる
- 顎の周りに腫れがある
- 口内炎が治りにくい
- 顎関節の痛みがある
- 顎がカクカクと音を立てる
- 口を大きく開けるのが難しい
- 舌や歯茎、首にしこりがある
- お口や顎に原因不明の痛みが続いている
- 歯が欠けた・折れた
- 歯茎からの出血が止まりにくい
- 口の中が頻繁に乾く
- 複数の薬を服用しており、歯科治療に不安がある
親知らずの抜歯
親知らずは、左右の前歯から数えて8本目に位置し、多くの場合20歳前後に生えてきます。正常に生えていれば問題はありませんが、放置すると腫れや痛みを伴うことがあります。特に、横向きに生えている水平埋伏歯は炎症を起こしやすく、隣の歯を圧迫することで、むし歯や歯並びの乱れを引き起こすこともあります。このような場合には抜歯が必要となることがあります。
当院では、抜歯時の痛みを極力抑える工夫をしておりますので、安心してご相談ください。
親知らずの生え方の種類
真っ直ぐ生えている親不知
親知らずが真っ直ぐに生えていて、噛み合わせに問題がなければ、抜歯しないことが一般的です。しかし、むし歯になっていたり、痛みが出たり、噛み合わせに支障がある場合には、抜歯を検討することがあります。
斜めに生えている親不知
親知らずが斜めに生えていて、隣の歯に押し付けてしまう場合、噛み合わせや歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。このタイプはむし歯になりやすく、将来的なトラブルを避けるために抜歯をおすすめします。
水平埋伏の親不知
完全に横向きに生えている親知らずを水平埋伏智歯と呼びます。このタイプは特に下顎でよく見られ、噛み合わせに関与しないため、抜歯が必要です。抜歯の際は、歯を2～3つに分割して取り除くことが多く、難易度が高いケースです。
親知らずを抜いたほうがいいケース
痛みや腫れがある
親知らずは磨きにくく、むし歯や歯周病になりやすいです。これらが原因で痛みや腫れが生じることがあります。また、親知らずの周囲に細菌が感染し「智歯周囲炎」を引き起こすことがありますが、この場合も抜歯が必要です。
歯並びに悪影響が出ている
横向きに生えた親知らずが隣の歯を押し、歯並びを乱すことがあります。このような場合、抜歯が必要です。
手前の歯を溶かしている
横向きに生えた親知らずが隣の歯の根っこを押し、溶かしてしまうことがあります。この場合も抜歯が必要です。
腫瘍や嚢胞の原因になっている
親知らずが原因で「含歯性嚢胞」などの嚢胞や腫瘍ができる可能性があります。このような場合も抜歯が必要です。
小帯切除術
頬や舌、唇の内側には、粘膜と歯ぐきの間に縦に繋がる細い「ヒダ」が存在します。これを「小帯」と呼び、具体的には以下の三種類があります。
- 上唇小帯（じょうしんしょうたい）: 上唇と歯ぐきの間に位置しています。
- 頬小帯（きょうしょうたい）: 頬の内側の粘膜と歯ぐきの間にあります。
- 舌小帯（ぜつしょうたい）: 舌と舌の裏側の粘膜の間に存在します。
小帯に異常があると、様々な問題が生じることがあります。上唇小帯が大きすぎると前歯に隙間ができやすく、舌小帯が短いと発音に影響を及ぼします。これらの問題を改善するために、小帯の切除が有効です。
小帯切除術では、異常な小帯を切除し、歯並びや発音の問題を解決します。手術は通常、局所麻酔下で行われ、術後の適切なケアにより快適な回復が期待できます。これらの問題でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。
上唇小帯異常
上唇小帯とは、上唇を持ち上げた時に見える中央のヒダ状の組織を指します。この上唇小帯が異常に発達している場合、以下のような問題が生じることがあります。
- 前歯の間に隙間ができる（正中離開）
- 上唇の運動障害
舌小帯強直症
舌を上に上げると、舌の下の中央にヒダ状の組織が見えます。これを「舌小帯」と呼びますが、このヒダが異常だと問題が生じることがあります。舌を前に出すと舌の先がハート型になる場合、舌小帯強直症の可能性があり、以下のような問題が生じることがあります。
- 舌の運動障害
- 摂食障害
- 言語障害
適応と手術時期
手術のタイミングについては、医師によって意見が分かれることがあります。成人でもそのままにしている場合が多いですが、摂食障害がある場合は、3歳までに早期の手術が推奨されることがあります。この場合、全身麻酔が必要になる可能性があります。
外傷・歯の打撲
当院では、歯を強くぶつけた際の打撲や外傷に対する応急処置を行っています。歯の外傷は、日常生活やスポーツ活動中に起こりやすく、早期の対応が重要です。
歯の外傷には、以下のようなケースがあります。
- 歯がグラグラする
- 歯が折れた
- 歯が歯肉の中に入り込む
- 歯が抜けてしまう
歯の外傷は、乳歯の場合、1歳から4歳頃のよちよち歩きを始めた時期に多く見られます。永久歯では、7歳から8歳頃が多いですが、部活動中の激しい衝突や、野球やテニスなどのスポーツ中にも発生しやすいです。
また、床がフローリングや硬い舗装の公園で転倒することが多いため、ちょっとした転倒でも前歯を打つことがあります。強打により歯が折れたり抜けたりした場合でも、適切な処置を受ければ治せる可能性がありますので、あわてずに受診してください。
当院では、スポーツのパフォーマンス向上やケガからお口を守るためのスポーツマウスガード製作も行っておりますのでお気軽にご相談ください。
お口の中のできもの
お口の中のできものと言えば、一般的には口内炎が考えられます。しかし、痛みがなく、できものが次第に大きくなっていく場合には、良性腫瘍やがんの可能性もあります。症状には、赤くなる程度のものや、強い痛みを伴うもの、ただれや水ぶくれができるものなどがあり、原因もそれぞれ異なります。
口内炎は、痛みが強くなり、食事がしづらくなることがあります。そのため、適切な対処を行うことが重要です。また、口内炎が全身の重大な病気の一部として現れることもあるため、正しい知識を持ち、必要に応じて医療機関で診察を受けることが大切です。
症状が3週間以上続いたり、慢性的に繰り返したりする場合は、早めに相談ください。
口内炎
口内炎は、口腔内に発生する炎症で、日常生活のさまざまな要因によって引き起こされます。
口内炎ができる主な原因は次のとおりです。
免疫力の低下
ストレス、睡眠不足、栄養不足、風邪などが原因で免疫力が低下すると、口内炎ができやすくなります。特に女性は生理前や妊娠時にホルモンバランスが不安定になるため、発症しやすいです。
口内の不衛生
歯磨きを怠り口内を不衛生にすると、細菌が繁殖しやすくなり、口内炎が発生します。
アレルギー反応
アレルギー要因となる食品や飲料、歯科治療で使用される金属、抗生物質などが口内炎の原因となることがあります。
ビタミン不足
特にビタミンB群の不足が、口腔内の粘膜の健康に影響を与えます。ビタミンB2が不足すると、皮膚や粘膜の保護機能が低下し、口内炎や唇のひび割れが生じます。ビタミンB6が不足すると免疫力が低下し、細菌に対する抵抗力が弱まります。
物理的な刺激
頬や唇の内側、舌を咬んだ傷、歯磨き中の擦過傷、硬い食べ物や義歯による刺激、熱い食べ物や飲み物による火傷なども口内炎の原因となります。
顎関節症
顎関節は咀嚼や発音などで複雑な動きをする部位です。その中には「関節円板」と呼ばれる軟骨があり、筋肉や靭帯と連動して動いています。しかし、何らかの原因でこの関節円板の動きがスムーズでなくなると、顎関節の動きも妨げられます。
放置すると痛みが増したり、口の開閉に障害が生じたりします。さらに、頭痛や難聴、手足のしびれなどの全身症状が現れることもあるため、注意が必要です。
顎関節症の原因は多岐にわたり、いくつかの要因が重なって発症することもあります。
噛み合わせの乱れ
噛み合わせが悪いと、顎の関節に過度な負担がかかります。咀嚼のたびに偏った力がかかり、放置すると症状が悪化します。
姿勢やクセ
頬づえや悪い姿勢は咬み合わせに影響を与えます。歯ぎしりや食いしばりも顎に過度な負担をかけます。また、片側だけで咬む癖も注意が必要です。
ストレス
ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、食いしばりを誘発します。また、睡眠中の歯ぎしりも顎に負担をかけます。
外傷
事故などで強い力がかかると、歯の位置や咬み合わせがずれ、顎関節症を引き起こすことがあります。
そのほかの疾患
リウマチや関節炎、アレルギー、自律神経失調症なども顎関節症の原因となります。
顎関節症の治療
顎関節症の治療の一環として、歯ぎしりの癖がある方には「スプリント」と呼ばれる装置を使用します。これは、マウスピースに似た装置で、睡眠時に口に装着することで、無意識の歯ぎしりによる歯や顎への負担を軽減します。当院では、スプリントを装着する際に、理想的な噛み合わせとなるように顎関節の位置を調整し、顎関節症の症状を改善します。
スプリントは、一度作成したら終わりではありません。初めのうちは1〜2週間ごとに来院し、顎関節の状態チェックとスプリントの調整を行います。その後は、顎関節の状態に応じて1〜3ヶ月ごとに経過観察と調整を続けていきます。これにより、顎関節の健康を維持し、症状の再発を防ぐことができます。