全身疾患をお持ちの方へ

神戸市須磨区の田中歯科医院では、持病をお持ちの方にも安心して治療を受けていただける環境を提供しています。お気軽にご相談ください。
問診への記入とお薬手帳の持参にご協力ください

全身疾患をお持ちの方の歯科治療には、さまざまなリスクが伴います。安全な治療を提供するために、持病についての問診票へのご記入をお願いしています。治療前の問診では、現在の状態や治療歴、服用中の薬について詳しく伺います。お薬手帳もご持参いただくよう、よろしくお願いします。
歯科治療に関連のある全身疾患
治療を行う前に、必ず持病や現在の健康状態についてお聞きします。高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などがあると、さまざまなトラブルや副作用のリスクが高まります。特に以下の持病をお持ちの方は、問診時に必ずご相談ください。
高血圧
WHO(世界保健機構)では、血管収縮期の血圧が140mmHg以上、拡張血圧が90mmHg以上の状態を高血圧症と定義しています。原因は不明ですが、高血圧症が慢性化すると動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まります。高血圧は自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な血圧測定が重要です。
歯科治療で注意すべきこと
当院では、高血圧症の方が血圧を下げるために降圧剤を使用している場合があるため、治療前に血圧測定を行い、降圧剤の服用状況を確認しています。また、治療中は生体モニターを使用して血圧管理を行い、安全に配慮しています。
- 降圧剤を服用している場合、治療前に必ず伝えてください
- 治療前には血圧を測定しましょう
- 治療前後には急な動作を避け、ゆっくりと起き上がってください
心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を供給する冠動脈が動脈硬化により血流が阻害される状態です。また、血管が狭くなり酸素や栄養が十分に行き渡らない状態を狭心症と言います。
歯科治療で注意すべきこと
心筋梗塞や狭心症の患者様は、血栓予防のために抗凝固薬を服用していることが多く、出血を伴う治療には特別な配慮が必要です。場合によっては主治医と相談しながら薬の量を調整したり、止血処置が必要となることもありますので、必ず事前にお伝えください。
- 心筋梗塞を発症してから3ヶ月は歯科診療を控えてください
- 心筋梗塞を発症してから6ヶ月は、出血を伴う外科処置を避けてください
糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖が高くなる病気です。原因は、インスリンというホルモンの不足です。インスリンは、血糖値を下げる働きを持っており、その作用が低下すると高血糖(300mg/dl以上)が続き、動脈硬化などのリスクが高まります。
歯科治療で注意すべきこと
糖尿病の方は感染症にかかりやすく傷が治りにくい、さらにはストレスで血糖値が変動しやすいといった特徴があります。歯科治療の刺激でもストレスを感じ、血糖値が変動し昏睡状態になることもあります。麻酔には血糖値を上昇させる作用があるため、治療前に確認が必要です。
- 食事直前や糖尿病治療薬の服用直後は治療を避けてください
- 麻酔使用時は、血糖値が上昇する可能性があるため、事前に確認すること
骨粗しょう症
骨粗しょう症は骨密度が低下し、骨折しやすくなる病気です。特に閉経後の女性に多く見られます。
歯科治療で注意すべきこと
骨粗しょう症の治療には、ビスフォスフォネート剤(BP剤)を使用することがあります。この薬を服用していると、抜歯などの歯科治療で顎骨壊死という副作用が起こる可能性があります。ただし、全ての治療で問題が発生するわけではなく、むし歯治療など一般的な歯科治療なら問題ありません。また、他の薬剤(副甲状腺ホルモン注射薬、ビタミンK製剤、・ビタミンD製剤、エルシトニン薬など)を服用している場合は特に問題なく治療を受けられます。
- 薬を服用している場合は、必ず主治医や歯科医師に相談してください
- ビスフォスフォネート剤を服用している場合、抜歯などの治療を避けてください